カメラを趣味にするメリットとは

 はじめまして。lupinstyleです。

 上の画像は、正月に家族旅行で訪れた小田原城を撮影したもの。
 ちょうど雨上がり。太陽光に横顔を照らされた城の風格と、列を乱さず整然と並んでいる観光客から日本らしさが表現できているでしょうか。

 さて、記念すべき初回の投稿となる今回は、カメラを趣味にするメリットについて考えます。

手軽に成果を得られる

 カメラのシャッターを切るだけで、写真というのは撮ることができます。出来の良し悪しはさておき、たとえ短時間でも成果物を得られる手軽さは間違いのないところでしょう。
 それに比べて絵画や彫刻は、一般的に作品の完成まで膨大な時間を必要とします。この時間的な差が、創作系の趣味のうちカメラが選ばれやすい理由の一つ。

 もちろん、写真を撮るためひたすらシャッターチャンスを待つ場合、絵画や彫刻より時間を要することがあるかもしれません。しかし、「短時間でも」そして「長時間かけても」楽しめるというところが大きなメリットなのです。

 ちなみに、何の気なしにシャッターを切ったストリート・スナップが、何時間もかけて待ち、やっと撮影した鏡富士より魅力的に撮れることもある──。これも事実です。僕のような素人には、写真の出来というのはとても不思議であり、それだけ魅力的なものです。

撮影、評価、加工で三回楽しい

 写真撮影は、大なり小なり撮影者自身の考えに基づきシャッターを切りますから、周りが思うより当人は楽しんでいます。
 被写体選び、光の具合、絞り、ベストなアングルetc…
 成果自体は手軽に得られるものの、何をどう撮るかは撮影者のセンスに他なりません。まさに感覚への挑戦であり、経験と技術を総動員させた真剣勝負です。これが、撮影すること自体の楽しみ。

 そして、次なる楽しみは自分で撮った写真の出来栄えを評価すること。
 僕などは、撮影した日の夜にお酒でも飲みながら「あ~、もう少し低く撮るべきだったか」だの「イメージ的にちょっと明るすぎる」だの、わざと辛口な自己評価をしながら写真を眺めます。
 その時間がすこぶる楽しいです。
 出来が悪いと思った写真も、次の日に見るとわりと良く思えたり。

 さらなる楽しみ方は、レタッチ(加工)して理想の写真に近付ける作業。
 そうして変身した自分の写真を「まんざらでもない」と眺めるのも悪くありません。もちろん、撮ったままの写真もレタッチした写真も、撮影者の所有物。つまり、あなただけの物です。実際に写真屋に行って大判印刷でも頼んでみれば、所有欲も満たされることでしょう。

 このように楽しみ方のバリエーションが多いのも、カメラを趣味とするメリットと言えます。

瞬間だけを切り取れる

 昔の写真を眺めると、それがどんな状況で撮ったのか驚くほど覚えていません。
 僕のデスクには幼稚園の頃に撮ってもらった写真があり、もはや誰に撮ってもらったのかすら分からないくらい遠い遠い過去のワンシーンです。

 親に聞いても、もちろん覚えていません。
 ただただ、そこにあるのは瞬間として切り取られた5歳の自分が子供用の背広を着て、あどけなく笑っている情景だけです。これが動画ならまた違うでしょう。音声や動きはもちろん、空気感まで映像からは伝わるので、ありありと思い出が蘇ってくるはず。

 それなら動画のほうが良いじゃん! と考えがちですが、ちょっと待ってください。
 何せ、思い出は美化したいものだし、美化するなら余白は多いほうが良いわけです。人間は都合の悪いことは忘れるように出来ているらしいですが、余白の多さにおいて写真は映像より優れています。写真と映像の決定的な差はこの部分ではないでしょうか。

 思い出の瞬間”だけ“を切り取れるのは、写真しかありません。これがカメラを趣味にする本質的なメリットだろうと感じています。